CD/DVDの仕組み
DVD±RW
DVD±RWとは
書き込み型DVDには数多くの種類がありますが、ここではDVD−RWとDVD+RWについて説明します。
「RW」は「ReWritable(再書き込み可能)」の略で、DVD±Rと違い何度も書き換えができる事が特徴です。
レーザー光の反射が弱いのでDVD−ROMとの完全な互換性はありません。
古いDVDプレーヤー、DVDドライブではディスクを再生できない可能性があります。
2種類の規格 DVD−RWとDVD+RW
DVD±Rと同様にRWにも+と‐があります。
DVD−RWはDVDフォーラムの規格、DVD+RWはDVDアライアンスのDVD互換規格で、
やはり互いに互換性がありません。
左がDVD−RW、右がDVD+RWのロゴです。
ディスクの構造
DVD−Rは有機色素をレーザーで「焼いて」しまうため一度きりの書きこみしかできませんが、
DVD±RWでは書きこんだデータを消去できるようにするため相転移という原子の並び替え現象を利用しています。
DVD±RWは記録層にAgInSbTe(銀・インジウム・アンチモン・テルル)系の合金を使用しています。
この合金は熱する温度によって反射率の高い結晶構造(クリスタル)と低い結晶構造(アモルファス)とを自由に相転移させることができるため、ピットを書いたり消したりできるのです。
プリピットやウォブルなどの性質はDVD±Rと同じです。
樹脂層 | ポリカーボネート製の透明な層 |
誘電層 | 熱から記録層を守る |
記録層 | 相転移でピットを形成する |
反射層 | レーザー光を反射するアルミ製の層 |
保護層 | 傷、歪みなどからデータを護るUV硬化樹脂の層 |
接着面 | 表裏2枚の基盤を接着する |
RWの使い方
基本的な使い方
DVD±RWは、ハードディスクのように自由にファイルを更新したり消去したりすることは基本的にできません。
DVD±Rと同じようにライティングソフトで一気に書きこみ、データが不要になったら全消去して再利用する事になります。
もともとDVD−ROM(とDVD±R)は、ビデオテープのようにデータを先頭から順番に詰めて記録していて、
前後のデータ間の隙間が殆どありません。
一方ディスクの回転には多少ムラがあるので、
同じ量のデータを書きこんでもディスク上での位置がずれて前後のデータを破壊してしまう恐れがあるため、
データの一部だけを書きかえる事ができないのです。
ロスレスリンキングとDVD+VRフォーマット
+RWは高周波ウォブルがあるため−RWよりも高精度な位置制御が可能で、
ある程度なら一部分だけの書き換えができます(ロスレス・リンキング)。
この性質を利用して、DVD+RWではDVDプレーヤーで再生でき、
かつ制限付きながら録画後の編集もある程度可能なDVD+VRフォーマットという録画方式を使うことができます。
パケットライト
DVD±RWに書きこむ時にデータ間の隙間を充分に空けておけば、
上書きする時に位置が多少ずれても前後のデータを破壊してしまう心配はありません。
このようデータ間に隙間を空けて自由にデータの一部だけを更新できるようにした方式をパケットライトといいます。
パケットライトを行うとDVD±RWでも自由にファイルを更新したり削除したりすることができるようになります。
しかし、データの配置が変わるのでDVD−ROMとの互換性はありません。
さらに使う前にフォーマットを行う必要があり、ディスクに記録できる量も少し少なくなってしまいます。